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万葉の庭の紹介⑧

万葉の庭にある「13かきつばた(カキツバタ)」を紹介します。(万葉の庭〜散策の栞より)

「吾のみやかく恋すらむかきつばた丹(に)つらふ妹(いも)はいかにかあらむ」

(巻十−一九八六)

*大意

わたしだけが、こうも恋するのだろうか。かきつばたのように頬の赤いあの娘は、どうなのだろうか。

*ひと言

「丹(に)」は赤い(色)の意。「つら」は面すなわち頬か?しかし、紫の「かきつばた」を、赤(色)の枕詞に使うのは変だという人もいる(こういう用例は結構ある。勘違いなのか、色彩感覚の違いなのか、よくわからない)。

なお、「かきつばた」の「は」は清音で、「かきつはた」が正しいという説もある。

*植物メモ

巻十七−三九二一に、「かきつばた衣に摺り付けますらをの着襲い狩りする月は来にけり」(大伴家持)という歌がある。旧暦五月五日の薬狩り(野に出て薬草を摘む行事)を詠ったものだ。この狩に着用する狩衣を「かきつばた」の花汁で染めることを<書き付け>というので、<書き付け花>が「かきつばた」に転じたのではないかといわれている。他に垂れ下がった三枚の花片を「はた」(幡・旗)に見立てた、という説もある。いずれがアヤメかカキツバタ・・・!?