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万葉の庭の紹介 vol.12

本校の中庭にある万葉の庭の草木を紹介します。(西麗会:万葉の庭~散策の栞~より)

27 さねかずら(サネカズラ)

「さね葛(かずら)後も逢はむと夢にのみうけひわたりて 年は経につつ」

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)(巻十一の二四七九)

*大意

「(さね葛)後にでも逢わせてくださいと、夢だけに祈りつづけて、年は過ぎていく。

*ひと言

秋に熟した真っ赤な実(さね)の艶やかな美しさといったら、誰でも美しい女性の姿を思い描くに違いない。この歌の「さね葛」は「後も逢はむ」の枕詞だが、もちろん、そうした女性のことをイメージしているのだろう。

 なお、「柿本人麻呂歌集」より採ったとある約三百八十首の歌の、どれほどが人麻呂自身の作であるかは、議論のわれるところである。

*植物メモ

お菓子の鹿の子に似ているというか、イクラの固まりみたいというのか、小粒の実が多数あつまって、秋(晩秋)に真っ赤に熟する。夏咲く五弁の花も美しい。

その昔、枝皮からとった粘りっこい汁を整髪剤に使ったことから、ビナンカズラとも呼ばれる。