万葉の庭の紹介③
万葉の庭にある「10 ウメ」について紹介します。(万葉の庭〜散策の栞より)
「わが苑に梅の花散るひさかたの天より雪の 流れ来るかも」
大伴 旅人(おおともの たびと)(巻五ー八二二)
*大意
「わが園に、梅の花が散る。天から雪が流れてくるのだろうか。」
*ひと言
<世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし>と詠ったのは、平安期の歌人・在原業平ですが、万葉人の関心は専ら梅。この時代、花見といえば梅見を指した。
旅人のこの歌も、そんな梅見の宴席でやりとりされた梅の歌三十二首の一首。その中には、山上憶良の歌もみえる。
*植物メモ
ウメは中国からの舶来品。万葉の当時花の色はすべて白であったらしい。清楚で気品高く、早春、百花に先駆けて咲く。
Plum blossoms fall and scatter in my garden;
is this snow come streaming from the distant heavens?
By the host,Otomo Tabito